「SESから自社開発へ」は、エンジニアの転職でもっともよく語られる経路です。ただ、移った人が全員満足しているかというと、そうではありません。
問題は、SESの何が不満だったのかを分解しないまま「自社開発なら解決する」と考えてしまうことです。不満の原因によっては、自社開発に移っても変わりません。
SESの不満を3つに分解する
1. 収入(単価と給与の差)
自分の単価は分かっているのに、手取りがその何割かにしかならない。この構造への不満です。
これは自社開発に移れば解決するとは限りません。自社開発の企業でも、事業の収益性が低ければ給与は上がりません。むしろ、SESで高単価の現場に入っている人が、自社開発に移って年収が下がるケースは普通にあります。
収入だけが不満なら、まず現職での単価交渉、あるいはより単価の高い現場・会社への移動のほうが確実です。
2. 裁量(決められない)
技術選定に関われない、レビューが形式的、改善提案が通らない。この不満です。
自社開発に移ると改善する可能性が高い項目ですが、会社の規模と組織の成熟度に依存します。自社開発でも、意思決定が一部の人に集中していれば、状況は変わりません。
面接では「技術選定は誰がどう決めているか」「直近で変更した技術と、その理由」を聞いてください。答えられない会社は、実態として裁量がありません。
3. 積み上がらなさ
半年〜2年で現場が変わり、そのたびに技術も業務ドメインもリセットされる。この不満です。
これは自社開発に移ればほぼ確実に変わります。同じプロダクトを長く見ることになるため、設計判断の結果を自分で受け取ることになります。運用まで含めて経験できることが、最大の違いです。
自社開発に移って後悔しやすいパターン
プロダクトが枯れている
長く続いているサービスの保守が主務で、新規開発がほとんどない場合があります。SESで多様な現場を見ていた人が、同じコードベースだけを見る生活に耐えられないことがあります。
事業が儲かっていない
自社開発である以上、給与の原資は事業の利益です。プロダクトの成長が止まっている会社では、年収が上がりません。応募時に、そのプロダクトがどうやって収益を得ているかを確認してください。
「自社開発」の定義が違う
自社サービスを持っているが、エンジニアの大半は受託や SES に出ている、という会社もあります。求人票の「自社開発」という言葉だけで判断しないでください。
自社開発以外の選択肢も並べる
SESから出る先は、自社開発だけではありません。
| 移動先 | 変わりやすい点 | 注意点 |
|---|---|---|
| 自社開発 | 積み上がらなさ、裁量 | 年収は事業の収益性次第 |
| 受託開発(自社が元請け) | 裁量、上流工程への関与 | 納期のプレッシャーは残る |
| 社内SE | 働き方の安定、業務ドメイン | 実装から離れる場合がある |
| SES(より条件の良い会社) | 収入 | 構造的な不満は残る |
職務経歴書の書き方を変える
SESから移る場合、経歴書の書き方でつまずくことが多くあります。よくあるのは、常駐先ごとに「参画期間・担当工程・使用技術」を並べる書き方です。これは案件の一覧であって、あなたが何をできるかの説明になっていません。
書き直すときは、次を軸にします。
- どういう問題があり、それに対して何を選び、結果どうなったか
- 自分が判断した範囲と、指示された範囲の区別
- 現場が変わっても再現できるスキルは何か
現場が変わるたびにリセットされたと感じていても、繰り返し使ってきた判断の型は必ずあります。それが書けると、SES出身であること自体は不利になりません。
相談先の選び方
自社開発を目指す場合、開発環境やチーム体制の情報を持っているかどうかで、エージェントの有用性が変わります。
| 項目 | レバテックキャリア PR | doda PR |
|---|---|---|
| タイプ | IT・Web系特化型 転職エージェント | 転職サイト + エージェント |
| 位置づけ | ITエンジニア・クリエイター職に特化した転職エージェント。技術領域の話が通じる担当者に当たりやすいのが特徴とされる。 | 求人検索とエージェント紹介を1つのサービス内で併用できる。自分のペースで求人を見たい人向け。 |
| 向いている人 |
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| 向いていない人 |
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| 注意点 |
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| リンク | 準備中 | 準備中 |
掲載内容は各社の公開情報にもとづく整理です(2026年8月16日時点で確認)。 条件は変更されることがあるため、最新の情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
IT・Web系特化型 転職エージェント
レバテックキャリア
ITエンジニア・クリエイター職に特化した転職エージェント。技術領域の話が通じる担当者に当たりやすいのが特徴とされる。
この記事で挙げる理由自社開発企業の開発体制・技術選定の実態を、応募前に確認したいため
向いている人
- 開発職としてのキャリアを継続しながら年収を上げたい
- 使用技術やチーム体制を具体的に確認したうえで応募したい
- SESから自社開発・受託開発への移動を検討している
向いていない人
- 開発職から離れ、非IT職・事業側へ転向したい
- 実務経験がなく、まず経験を積む段階にある
- 地方在住で、勤務地を動かせない
注意点
- IT職に特化しているため、非IT職への転向相談には向かない
- 求人の中心は首都圏・関西圏。地方求人は事前に確認が必要
面談・登録の前に確認しておきたいこと
- 紹介予定の企業の開発体制(内製比率、レビュー、テストの運用)はどうなっているか
- 提示年収のうち、固定残業代はいくら含まれているか
- 自分の技術領域で、直近どのレンジの求人が動いているか
※ リンク準備中
よくある質問
- SES経験しかなくても自社開発に移れますか?
- 移れます。ただし、担当した機能の説明ではなく、技術的な判断を説明できることが条件になります。経歴書の書き方を変えるだけで結果が変わることもあります。
- 年収は下がりますか?
- 下がる場合もあります。特に高単価の現場に長く入っている場合は起こりえます。提示額だけでなく、昇給の仕組みと事業の収益構造を確認してください。
- 何年目で動くのがよいですか?
- 一律の目安はありません。ただし、ひとつの現場で設計から運用まで通して経験したことがあるかどうかは、選考で聞かれる材料になります。
