「SESを辞めたい」と検索する時点で、すでに何かしらの限界が来ています。ただ、その理由を分解しないまま動くと、次の職場で同じ不満に当たります。
SESの不満は、大きく「待遇」「環境」「将来」の3つに分かれます。厄介なのは、この3つで有効な手がまったく違うことです。転職が正解の場合もあれば、社内で解決できる場合も、辞めても変わらない場合もあります。
「辞めたい」を3つに分解する
- 01
待遇
単価と給与の差
SESの構造上、必ず発生する。移っても年収が下がることがある
- 02
環境
裁量がない・技術が選べない
現場ではなく立場の問題。形態を出れば変わる可能性が高い
- 03
将来
積み上がらない
放置するほど影響が大きい。3つの中で最も優先度が高い
1. 待遇(単価と給与の差)
自分の単価は把握しているのに、手取りがその一部にしかならない。この構造への不満です。
これはSESのビジネスモデル上、必ず発生します。営業・管理・待機期間のコストが乗るためです。問題は、その差が妥当な範囲かどうかです。
まず確認すべきは、自分の単価を実際に知っているかどうかです。知らないまま「たぶん搾取されている」と感じている場合、事実確認が先になります。会社によっては開示されますし、現場の商流から推測できることもあります。
待遇だけが理由なら、次の順で検討するほうが確実です。
- 現職で単価と給与の関係を確認し、交渉の余地があるかを見る
- より還元率の高いSES企業、または高単価の現場へ移る
- それでも変わらないなら、形態そのものを変える
いきなり3から入ると、年収が下がることがあります。高単価の現場に入っているSESエンジニアが自社開発に移って年収を落とすのは、珍しい話ではありません。
2. 環境(裁量がない・技術が選べない)
技術選定に関われない、レビューが形式的、改善提案が通らない、古い技術しか触れない。この不満です。
これは現場ガチャの問題に見えますが、構造的な理由もあります。常駐先から見れば外部要員なので、意思決定の輪に入りにくいためです。現場を変えても、立場が同じであれば繰り返す可能性があります。
環境が主な理由なら、SESという形態を出ることが解になります。
3. 将来(積み上がらない)
半年から2年で現場が変わり、そのたびに技術も業務知識もリセットされる。10年やっても「何ができる人」なのか説明できない。この不満です。
3つの中で、もっとも放置すると影響が大きいものです。年齢が上がるほど、経歴の一貫性が問われるようになります。
辞めないほうがよいケース
転職を勧めない場合もあります。次に当てはまるなら、いま動くのは得策ではありません。
- 実務経験が1年未満 — 経歴として説明できる材料が足りず、次もSESになりやすい
- 現場が変わった直後 — 数ヶ月で環境が改善する可能性がある
- 不満の中身を言語化できていない — 面接で必ず聞かれます。答えられないと通りません
- 高単価の現場に入っていて、待遇だけが不満 — 移って下がる可能性があります
とくに最後は見落とされがちです。手取りへの不満と、実際の市場価値は別の話です。動く前に、自分の経歴が社外でどう評価されるかを確認しておくほうが安全です。
総合型 転職エージェント
リクルートエージェント
業界・職種を問わず求人を扱う総合型エージェント。IT職以外の選択肢(社内SE、情シス、事業側など)も同時に見られる。
この記事で挙げる理由辞めるかどうかを決める前に、現在の経歴でどういう求人が対象になるかを把握するため
向いている人
- 開発職以外も含めて選択肢を広く見たい
- 事業会社の社内SE・情シスポジションを探している
- 地方在住で、求人の母数を確保したい
向いていない人
- 技術要件の細部まで詰めたうえで応募先を選びたい
- 紹介数が多いと判断しきれず、疲れてしまう
注意点
- 総合型ゆえ、担当者が技術に詳しいとは限らない
- 紹介数が多くなりやすく、自分で条件を絞る手間がかかる
面談・登録の前に確認しておきたいこと
- 希望条件に合う求人は、実際どのくらいの数があるか
- 社内SE・情シスのポジションは、どの業界で動いているか
- 技術的な質問は、担当者経由で企業に確認してもらえるか
※ リンク準備中
辞めるなら、どこへ移るか
SESを出る先は、自社開発だけではありません。それぞれ解決する不満が違います。
| 目的 | レバテックキャリア PR | リクルートエージェント PR | doda PR | ビズリーチ PR | MyVision PR |
|---|---|---|---|---|---|
| 年収を上げたい | 主な対象 | 主な対象 | 一部対象 | 主な対象 | 主な対象 |
| 開発職を続けたい | 主な対象 | 一部対象 | 一部対象 | 一部対象 | 対象外 |
| 社内SE・情シスへ移りたい | 一部対象 | 主な対象 | 主な対象 | 一部対象 | 対象外 |
- 主な対象
- 一部対象
- 対象外
各サービスが公開している対象領域にもとづく、当サイトの整理です(2026年8月16日時点で確認)。 該当する求人が常にあることを保証するものではありません。実際の求人状況は各社にご確認ください。
移動先ごとの違いは、別記事で詳しく扱っています。
辞める前にやっておくこと
経歴の棚卸し
SESから移るとき、いちばんつまずくのが職務経歴書です。多くの人が、常駐先ごとに「参画期間・担当工程・使用技術」を並べます。これは案件の一覧であって、自分が何をできるかの説明になっていません。
書き換えの軸は次の3つです。
- どういう問題があり、何を選び、結果どうなったか
- 自分が判断した範囲と、指示された範囲の区別
- 現場が変わっても再現できるスキルは何か
現場が変わるたびにリセットされたと感じていても、繰り返し使ってきた判断の型は必ずあります。それが書けると、SES出身であること自体は不利になりません。
契約と引き止めの確認
退職の申し出について、契約期間の定めがあるかどうかで扱いが変わります。まず自分の雇用契約書を確認してください。
「案件が終わるまで辞められない」「損害賠償を請求する」といった引き止めを受けたという話は聞きますが、こうした主張の妥当性は個別の契約と状況によります。当サイトでは判断できないため、疑問がある場合は労働基準監督署や専門家など、公的な相談先に確認することをおすすめします。
動く場合の相談先
開発職を続ける前提であれば、技術領域の話が通じる相手のほうが早く進みます。求人票に書かれていない開発体制まで確認したい場合はなおさらです。
IT・Web系特化型 転職エージェント
レバテックキャリア
ITエンジニア・クリエイター職に特化した転職エージェント。技術領域の話が通じる担当者に当たりやすいのが特徴とされる。
この記事で挙げる理由開発職を続ける前提で、移動先の開発体制やレビュー文化まで確認しながら進めたい場合
向いている人
- 開発職としてのキャリアを継続しながら年収を上げたい
- 使用技術やチーム体制を具体的に確認したうえで応募したい
- SESから自社開発・受託開発への移動を検討している
向いていない人
- 開発職から離れ、非IT職・事業側へ転向したい
- 実務経験がなく、まず経験を積む段階にある
- 地方在住で、勤務地を動かせない
注意点
- IT職に特化しているため、非IT職への転向相談には向かない
- 求人の中心は首都圏・関西圏。地方求人は事前に確認が必要
面談・登録の前に確認しておきたいこと
- 紹介予定の企業の開発体制(内製比率、レビュー、テストの運用)はどうなっているか
- 提示年収のうち、固定残業代はいくら含まれているか
- 自分の技術領域で、直近どのレンジの求人が動いているか
※ リンク準備中
よくある質問
- SESを1年未満で辞めるのは不利ですか?
- 次の応募で理由を必ず聞かれます。説明できる理由があれば致命的にはなりませんが、経歴として書ける実績が少ない状態では、次もSESになりやすい傾向があります。
- 辞めると伝えたら強く引き止められました。
- 引き止めの内容が契約や法令に照らして妥当かどうかは、個別の契約と状況によります。判断に迷う場合は、労働基準監督署などの公的な相談窓口にご確認ください。
- 在職中と退職後、どちらで転職活動すべきですか?
- 収入が途切れないぶん、在職中のほうがリスクは低くなります。ただし面談や面接の時間が取りにくくなるため、どこまで並行できるかは現場の状況によります。
- SESから自社開発に移ると年収は上がりますか?
- 上がる場合と下がる場合があります。自社開発企業の給与は事業の収益性に依存するため、高単価の現場に長くいる場合は下がることもあります。提示額と昇給の仕組みを分けて確認してください。
